ペーパー・バック

著者 一穂ミチ
イラスト 青石ももこ
媒体 小説
出版社 幻冬舎コミックス
レーベル 幻冬舎ルチル文庫
シリーズ is in you
発売日 2015~2016年

紙書籍

新品、中古品も圧倒の品揃え!

紙書籍と電子書籍両方対応!

電子書籍

電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。

BL特集豊富な最大手!

Amazon Kindle

Amazonの電子書籍版

業界最大級の品揃え!

BL全作品ポイント50倍!

紙書籍と電子書籍両方対応!

あらすじ

知らなかった。同じ場所に行って違うところへ帰るのがこんなにもの寂しいだなんて――明光新聞社で働く男たちの、人生と恋と欲と日々と愛。「is in you」「off you go」の番外編を中心に紡ぐ、大人気〈新聞社シリーズ〉珠玉の掌編集。商業誌未発表作を網羅&書き下ろし短編も収録してお贈りする、シリーズファン必携の2巻。

レビュー

評価 :5/5。

まずは一束と圭輔のお話。本編で二人が出会う直前のシーンは鳥肌もの。一穂ミチ先生は本当に天才かと思う。
その後は良時と密のターン。言い回しに敬服する。

うそと秘密を保つには努力がいるんだ。何でも話し合うよりずっと。そして努力の根源は愛だろう

密の言葉に「素敵な詭弁ね」と返す浮気相手。会話がオシャレ。2人とも知能指数高いと思う。そして密と十和子と良時の子供時代の話。印象的なのはなんといっても密。頭がいいし、良時と十和子への愛が感じられる。密びいきになるのはこういうシーンが繰り返しペーパーバックで出てくるから。

そしてペーパーバック2では、一束、密、良時、十和子が一堂に会する。豪華すぎて嬉しい。

そして密と良時の過去へ。20年前の密が心細い声で言った「俺だって寂しいよ」に胸がいっぱいになった。現在に戻り、密が子供に新聞の作り方を教える場面。短い言葉で的確に伝えるところがいい。密のエピソードはどれも好感度が高い。

眉は苦しげに寄せられているのに、すぐ下の目には性感がとろりと透明な膜を張って潤んでいる。その落差に見入りながら良時は密を見失う。頭の中で燃えさかる火しか見えなくなる。闇を焦がし、闇を染め、闇に火の粉を撒く。これは何の火だ。何を温め、誰を慰める火だ。

ぽた、と顎から滴った汗が密の肌に落ち、じゅうと音を立てる。水蒸気が上がる。そんなはずはない。
でも聞こえた。夜と炎が明滅する視界に時折密が割り込む。それは目の前にいるはずの密ではなく、ずっと昔の密だった。

分からなくなる。

二十年前の夏も、やっぱりお前はここに来なかったか。俺はお前を抱いたんじゃなかったか。こんなふうに。

ここの文章の躍動感と緊迫感。衝撃的で息を飲んだ。