
死にたがりの吸血鬼
リオンは契約を解除されて命が有限になったということだろうか。明言されていないものの、帆高もリオンも前向きなので、きっとそういうことだろう。
BL作品の感想を書いています
リオンは契約を解除されて命が有限になったということだろうか。明言されていないものの、帆高もリオンも前向きなので、きっとそういうことだろう。
それぞれのカップルのその後を知れて感激で胸がいっぱい。特に兜と篤郎は本編では、結ばれてからのその後がほとんどなかったので、ボリュームたっぷりのエピソードで大変満足した。
「愛の巣へ落ちろ!」、「愛の蜜に酔え!」、「愛の裁きを受けろ!」の後日談が豊富に収録されてて嬉しかった。ムシシリーズ10周年記念はGoldとSilverがあり、シリーズ一作目から順に掲載されているGoldから読むのがおススメ。
愛の星をつかめ!の番外編。これを読んでやっと満足できた。央太が真耶と一緒にいるために頑張るのが好きでも、無理してたに違いない。それを真耶が気づいてくれて安心した。今の央太も、昔の央太も受け入れられる真耶でよかった。
話は真耶視点で進むので、今までのシリーズでの真耶を思い出しながら、正義であり高潔な真耶を深く知っていく。澄也のときも、兜のときも、虐げられた相手に同情し、自分の幼馴染たちから離れた方がいいという立場にいた真耶。
シモンがどれだけ葵を愛していても、その感情が愛だと認めない様子にじれったさを感じたが、母親のようになりたくないという理由からだということが分かって納得。「愛」という定義がないのだから怖がっても仕方がない。
子どもは何度も、何度も親に傷つけられても許し続ける――。親を愛していて、愛されたいと願うから。自分は愛されるはずだと信じているから。切ないけど現実だ。子供時代に愛を渇望し、孤独に耐えるしかなかったからこそ、葵とシモンはお互いを誰よりも理解できる。二人にとっては、親から愛してもらえなかったことは必要だったといえる。
「本能は愛」がテーマのこの作品。理性ではなく本能に従うことは人間として程度が低いとかなんとかよく目にするけれど、今回は逆のことを言っている。そしてそれも真理だと納得してしまう。
この本も久しぶりに読んだ一冊。ひょうひょうとしていた兜が我を忘れるほど相手にのめり込んで監禁までしてたよな~と思い出しながら読みだす。冒頭から篤郎が出てきて驚く。直前まで「愛の裁きを受けろ!」を読んでおり、篤郎に同情していたため、篤郎が兜に振られるというエピソードでさえ、篤郎が出てきたということで嬉しく思う。
この「愛の裁きを受けろ!」も久しぶりに読んだ作品。郁が受けた仕打ちが酷すぎるので、この話の内容はよく覚えていた。改めて読んでみて、何回も泣いた。「愛の蜜に酔え!」では、言葉でなかなか伝えられなかったのに対し、ここでは想いを直球で伝えあっている。
里久の絶望に次ぐ絶望でいたたまれない状況が続く。一転して、里久が記憶を失い、2年前の誤解が解け、文通が始まり、綾人が関西へ行くにつれ、お互いの歩み寄りからの全世界への盛大な惚気へ(笑)。
あらすじを読んでも食指が動かなかったものの、評価の高さに購入してからは夢中で読んだこのシリーズ。先日、虫シリーズ10周年の作品が発売されたこともあり、この1作品目を読み直した。後に危険人物となる兜や、澄也先生や頑張る陶也を知っていると、なかなか面白かった。